森友事件の発端となった国有地に変化が

値引きされた国有地に立つ森友学園の小学校の校舎
森友事件で情報開示を求める新たな裁判が始まった。歩調を合わせるように、発端となった国有地でも新たな動きが現れている。
森友学園への国有地巨額値引きが発覚したのは10年近く前。時の首相の妻、安倍昭恵さんが名誉校長で、追及が広がった。取引文書にあった昭恵さんの名前をすべて消す改ざんが行われ、作業を命じられた近畿財務局の赤木俊夫さんが命を絶った。妻の雅子さんが情報開示の新たな裁判を起こし、10月14日、法廷で訴えたのはお伝えした通りだ。

裁判後の記者会見で話す赤木雅子さん
裁判の後、雅子さんは傍聴していた友人と因縁の場所に向かった。大阪府豊中市野田町1501番。問題の国有地だ。8770平米の敷地に木造3階建ての校舎がほぼできあがっている。
見晴らしの良さそうなガラス張りの最上階に昭恵さんの名誉校長室が用意されていたことが設計図面からわかっている。特等席に専用個室を用意するという破格の扱いだ。

森友学園の小学校の設計図。3階理事長室の右に手書きで「名誉校長室」
この土地は大阪空港の騒音対策で国土交通省大阪航空局が管理。売り払いは財務省近畿財務局が担当した。事件発覚で森友学園の小学校計画はとん挫。土地は再び大阪航空局が管理している。
敷地では重機が作業している。筆者が大阪航空局に問い合わせたところ、先月からゴミの撤去作業が始まったという。校舎の建設で出たゴミが敷地内に仮置きされていたため、再度の売り払いを前に建設会社に撤去を求めたという。

仮置きされたゴミの撤去作業
この土地にはほかに5000トンのゴミが埋まっているという調査結果を国交省が去年公表した。森友学園に売却した際の推計と比べ4分の1ほどにとどまる。しかもこれらのゴミは撤去されない。現状のままでも売り払いに支障はないと判断したという。
当時はゴミの量を4倍も多く見積もった上、実際には撤去された形跡がないのに全量撤去を前提に8億円を値引きした。いかに不当な判断だったかを示す。
校舎はかつて艶やかなえんじ色だった。しかし建設から10年近く、子どもたちを迎えることもなく、すっかり色あせている。雅子さんは校舎を見上げつぶやいた。
「この校舎は世の中から忘れられていますね。私の裁判も同じように色あせてしまうことを、国は望んでいるんでしょうね」
しかし国有地が売却されれば再び注目を集める。裁判もこれからだ。事件を色あせさせてはならない。

校舎の上空には大阪空港に着陸する飛行機の姿
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