大みそかに「正直が美徳」の世を願う

正直は美徳。でもこの国では「不正直こそ美徳」というような政治がまかり通っています。なぜ“不正直”な政府を“正直”な国民が選んでしまうのでしょう? スマホをなくした体験を通し大みそかに考えました。
相澤冬樹 2021.12.31
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スマホをなくしたら…

スマホをなくしました

きのう12月30日夜、JR大阪駅で電車を降りて改札を出るところで気づきました。駅員さんに相談しましたが、終点まで行かないと確認できないとのこと。電車は米原行きで、1時間半はかかります。いったん自宅に戻り、iPhoneは位置検索できることを思い出してパソコンで調べました。すると…新大阪駅にあるではありませんか!  どなたか親切な方がシートに置きっぱなしのスマホに気づいて、大阪の次の新大阪駅で駅員さんに渡してくれたに違いありません。翌日、大みそかに新大阪で無事引き取ることができました。

なくしたスマホが戻ってきたJR新大阪駅の在来線改札
なくしたスマホが戻ってきたJR新大阪駅の在来線改札

なくしものが返ってくる。こういうことは日本ではままありますが、外国ではそうでもないようです。落とし物を見つけたら届けよう。勝手に持ち去ったりしない。そういう「正直は美徳」という感覚が、日本の市井の人々にごく当たり前に根付いていることをありがたく思います。

「不正直こそ美徳」?

ところが、この国を支配している政府、政治家や中央官庁の役人はそうでもないようです。最近も国土交通省が統計データを勝手に書き換えていたことが発覚しましたし、2年前にも厚生労働省で同様の問題が明らかになりました。

財務省による森友事件では、国有地の8億円値引きに根拠がないのに「根拠がある」と言い張ってきましたし、取引に関する文書があるのに「ない」とウソをつきましたし、その陰で公文書の改ざんを行っていました。

近畿財務局赤木俊夫さんは「改ざんをすべきではない」と財務本省に正論を指摘しましたが相手にされず、うつ病になり、組織から見放されたと感じて命を絶ちました。「正直者が馬鹿を見る」としか言いようのない事態です。一方で、改ざんを命じた上司たちは全員異例の出世を果たしています。この国の政府はまるで「不正直こそ美徳」と思っているようです。

森友事件の裁判を国が1億円出し「認諾」で終わらせたことへの抗議行動(近畿財務局前)
森友事件の裁判を国が1億円出し「認諾」で終わらせたことへの抗議行動(近畿財務局前)

“不正直”な政府を“正直”な国民が選ぶのは…

そんな“不正直”な政府を、なぜ“正直”な国民が選んでいるのでしょう? きっと多くの方が政府の「不正直」さに気づいていないからでしょう。「国有地の値引きは正当だ」「改ざんは調査を尽くした」「遺族が望んでもこれ以上の事実はない」という、政府が繰り返してきたウソの説明を信じこまされているのです。

ウソも100回つけば本当になる」という有名な言葉があります。堂々とウソをつき続ければ、人々はそれを信じてしまう。今この国で起きていることは、それを地でいっています。

近畿財務局前での抗議行動
近畿財務局前での抗議行動

ウソがまかり通る世の中、正直者が馬鹿を見る世の中が続けば、誰も正直であろうとしなくなります。落とし物も届けられなくなるでしょう。ウソだらけの国が栄えられるとは思えません。

正直はこれからも美徳であってほしい。「正直が最善の策」という言葉もあります。その言葉が心底から「その通り」と思える世の中であってほしいと願います。

ウソをウソだと指摘し、真実を掘り起こして伝えるのは、報道の大切な役目ですね。年の瀬も押し迫る中、来たる年に向けた誓いを新たにしました。

年の瀬の大阪・御堂筋。この後、スマホをなくす
年の瀬の大阪・御堂筋。この後、スマホをなくす
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