公文書改ざん訴訟 ~ 赤木雅子さんと球磨川水害を結ぶもの ~

球磨村の水害被災地のボランティアに参加する赤木雅子さんに同行し、取材した内容をエッセイとしてお届けします。
相澤冬樹 2021.07.05
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今回の記事は、赤木雅子さんに同行して球磨村の水害被災地を訪れた時のことを読者限定記事のエッセイとして書き綴ります。メールアドレス登録すれば全文読めます。

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赤木雅子さんと球磨川水害を結ぶもの

突然のことだった。赤木雅子さんの目に涙があふれた。首に巻いていた手拭いでそっと顔を押さえている。横にいた私はびっくりしてたずねた。

相澤:どうしたんですか?

赤木雅子さん:法要でお経を聞いていると、夫の葬儀のことを思い出して…。

そこで言葉が途切れた。返す言葉がなかった。

去年7月4日、熊本県の球磨川流域を豪雨による大水害が襲い、多くの家が流され住民が犠牲になった。それから1年となるきのう4日、日曜日。球磨村神瀬(こうのせ)地区の広場で、一周忌の法要が営まれた。

球磨川水害一周忌の法要に参加する赤木雅子さん - 相澤冬樹のリアル徒然草

球磨川水害一周忌の法要に参加する赤木雅子さん - 相澤冬樹のリアル徒然草

赤木雅子さん(50)は神戸在住だが、法要と「一年の集い」を手伝うボランティアの一員として参加していた。この日のため用意したメンバーおそろいの黒いTシャツを身に着け、首には汗をぬぐう手拭い。受付係の一員として祭壇に手向ける花を参列者に配り終えると、会場の後ろの位置から法要を見つめていた。神瀬地区には曹洞宗のお寺があり、法要では般若心経を唱える。雅子さんの夫、赤木俊夫さん(享年54)も曹洞宗だった。

赤木雅子さん:お経が夫の葬儀と同じです。だから…。

俊夫さんは、財務省近畿財務局の職員だった。森友学園との国有地取引をめぐる公文書の改ざんを上司にさせられ、全責任を一人で負わされるとおびえて命を絶った。3年前の3月7日のこと。職場の犠牲になったようなものだ。

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