「努力」は人を裏切らない

記者の仕事は不人気職種。マスコミが花形職場だった時代は遠く過ぎ去りました。確かに課題の多い業界ですが、取材の面白さが若者に伝わっていないように思います。そんな思いで書きました。
相澤冬樹 2021.11.10
誰でも

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この記事は早稲田大学の学生向けに書いたコラムが元になっています。学生さんになったつもりで読んでみてください。

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記者の仕事は3K職場?

記者の仕事は3K職場だとよく言われます。自分の時間がない、しんどい、何のためにそんな取材が必要なのかわからない。そんな声を聞きます。それももっともだと思います。

マスコミ界は古い因習を引きずっていて、長時間勤務パワハラ男社会の独善が横行している部分があります。でも、こういう課題は少しずつですが変わりつつあります。私がこの世界に入った30年前に比べれば大きく変わっています

先輩記者の“指導”を受ける新人の私(1987年・昭和62年頃)
先輩記者の“指導”を受ける新人の私(1987年・昭和62年頃)

“ヒーロー”になれる仕事

それに、記者の仕事には何にも代えがたい魅力があります。それは「ヒーロー」になれるということです。ヒーローと書きましたが男女同じです(ヒロインというと日本では意味合いが変わってきます)

家入レオに「ヒーロー」という曲があります。かっこ悪くてヒーローとはとても言えないけど、ヒーローになりたいと歌っています。その点、記者もかっこ悪いことが多々あります。でも困っている人のためになるニュースや記事を出せたら、それはその困っている人にとってのヒーローになれたことになります。そういう記事はきっと出せます。あるいは読者視聴者にとってのヒーローにもなれるでしょう。人に喜んでもらえる仕事ができるって素敵なことです

夜討ち朝駆けだけが取材じゃない

深夜、帰宅中の財務省関係者を待ち受けて直撃取材中(2020年4月週刊文春記者撮影)
深夜、帰宅中の財務省関係者を待ち受けて直撃取材中(2020年4月週刊文春記者撮影)

記者の取材といえば、取材先のところに朝晩駆けつける「夜討ち朝駆け」が知られています。私自身も夜討ち朝駆けを1000回以上は繰り返したと思います。まるで比叡山の荒行、千日回峰行みたいですね。そこまで自分の時間を犠牲にして修業を重ねなきゃダメなんでしょ? そんなのゴメンだ、と思うかもしれません。

でも、そうではないんです。「私がそうしてきたから今の若者もそうすべき」…とは申しません。「常に自分を犠牲にしてでも努力せよ」なんてことはありません。

歌は世につれ世は歌につれ、といいます。世のありようは変わっていきますし、取材手法も世につれ変わっていきます。自分の生活を大切にしながら、真実に迫る方法はあるはずです。

自分なりの「努力」がきっと実を結ぶ

とはいえ、まったく努力なしで得られるものはありません。人と同じことをしていては人と同じ成果しかあげられないからです。

自分にあった「努力」を、これから世に出る皆さん(学生さん)それぞれが見つけてください。そうすればきっと、「努力は人を裏切らない」はずです。

真実に迫る取材は、ビジネスにも恋愛にも通じるところがある、と著書に書きました
真実に迫る取材は、ビジネスにも恋愛にも通じるところがある、と著書に書きました
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この文章は冒頭に書いたとおり、元は早稲田大学の学生さん向けに書いたコラムです。そのきっかけは早稲田ジャーナリズム大賞でした。最終候補に残ったことで、学生対象の記念講座を今年4月にオンラインで行いました。その講義録を作るにあたり、まとめとなるコラムを書いてほしいという依頼を受け、原稿を書きました。だから「皆さん」は大学生です。文章が短いのは、まとめのコラムだからです。講義は1時間半ありましたので、講義録自体はかなりの長さがあります。

講義のタイトルは「取材は愛」。私が著書のサインによく書く言葉です。講義録についても、もしもご要望があれば配信したいと思います。会員向けにメールで届くこのニュースレターに返信していただきますと、私のところにメールが届くようになっています。皆さまのご要望ご感想をお待ちしております

そして配信内容についてのご意見ご感想を、フェイスブック、ツイッター、インスタグラムなどに載せていただけると、取材執筆の励みになります。ぜひご投稿ください。  

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