キョンキョン、ドラマ『新聞記者』降板の真相 初めて明かす
対談が行われた文藝春秋の部屋を歩く小泉今日子さん。創業者、菊池寛の肖像画が掲げられている
キョンキョンの愛称が有名な歌手で女優の小泉今日子さんは、時事問題や社会問題に鋭く発言することでも知られる。2年前、改ざん事件を描く『私は真実が知りたい』(赤木雅子さんと筆者共著・文藝春秋)が刊行された際、この事件が気になっていた小泉さんはツイッターで本を好意的に紹介した。これが縁で雅子さんと交流が始まり、週刊文春WOMAN(季刊誌)の企画でこのほど対談が実現した。
そこで二人は親交を深めたいきさつについて語り合うとともに、小泉さんが改ざん事件に対する思いを述べた。
『私は真実が知りたい』という本のタイトルを見て、これは読まなくちゃと思って読んだら、断片的な報道でしか知らなかった事実が全部、物語というか、一つの大きな出来事として把握できました。しかも一本道ではなくて、前に進んだと思ったら引き戻されていたり、思いもよらないキャラクターがたくさん出てきたりして、本当にすごいドラマだなとビックリしました。信じていた人たちが全部あっち側の人だったとか。「それ、韓国ドラマで見たことあるけど?」みたいな感じで、現実はすごい!って思いました。
それでも、現実はドラマの世界とは違う。
ドラマだったらどこかで解決していきますが、現実はいまだ解決できてない。“最終回の来ないドラマ”がまだ続いている。事件に関わった人たちは今もご飯を食べておいしいのかなとか、ぐっすり眠れるのかなと思うと謎です。自分だったら、きっと苦しくていられないと思うんですよね。
小泉今日子さんは丁寧に言葉を選びながらも、くつろいだ感じで語った
“韓国ドラマ”を地で行く赤木雅子さんの人生。その事実をモデルにしたドラマが現実に制作された。Netflix(ネットフリックス)のドラマ『新聞記者』だ。制作プロデューサーと、そこに深く関わった東京新聞の望月衣塑子記者は、雅子さんの提訴直後から接触を始めた。だが雅子さんが内容に不審を抱いたため、見切り発車で了解を得ずにドラマは制作された。当初、雅子さん役に決まっていたのが、実は小泉今日子さんだった。
私は、実在する方の話だから、雅子さんがドラマについて了承しているというのが前提ですとプロデューサーに伝えていました。最初は「雅子さんと話を進めています」と聞いていました。でも途中から「あくまでもフィクションだから」という言い方に変わっていったんです。『私は真実が知りたい』はドラマの原作ではなく、この話はフィクションだから、雅子さんの了解がなくても制作を進める、みたいな話になった。でも台本を読むと明らかに本の事実を元にしている。だからフィクションと言い切れない。これをやるなら雅子さんの許可を得てほしいと重ねて話をしたんです。
最終的に、雅子さんにはっきりお返事をいただいてないと聞いた時、こんなふうに物事を進めてしまうということがそれこそ、俊夫さんについて何も答えが見つからないまま進んでいることと変わりがない気がして、すごく気持ち悪くなっちゃって。それで出演をお断りしました。
週刊文春WOMANの対談記事より
一方で、制作現場のスタッフや出演者たちは事情を知らなかったと気遣う。
現場は何の罪もなくて。主役の新聞記者役の米倉涼子さんは、これが独立して最初に選んだお仕事でした。私には「ずっとテレビドラマで女優としてやってきたから、映画監督とか映画ってなった時に自分の実力がないことがすごく不安だから、キョンちゃん、現場で何でも言ってね」みたいなやり取りがあって。本当にいい人なんです。それだけに制作のいきさつが残念だったな。もし、このお話がきちんと進んで、俊夫さんや雅子さんの経験したことが全世界に素敵な形で伝えられるんだったら、本当に参加したかったと思います。
では、もし今後きちんと納得のいく提案があったら、キョンキョンはあらためて雅子さん役を引き受けてくれるだろうか?
もちろん! 私でよければ喜んでお引き受けします。
対談後に記念撮影するキョンキョンと赤木雅子さん。親し気な雰囲気を漂わせた
小泉今日子さんと赤木雅子さんの対談は、きょう9月21日発売の週刊文春WOMAN2022秋号で5ページにわたり掲載されています。そこでは対談の内容がさらに詳細に紹介されています。例えば……、
●二人が初めて会食をした場面のエピソード。
●キョンキョンが自らの勇気ある発言について「“黙らない人”っていう存在も必要じゃないかな」
週刊文春WOMANの対談記事より
●安倍元首相が亡くなる前日、赤木雅子さんが偶然にも本人と会って直接手紙を手渡しグータッチをした。
●“最終回の来ないドラマ”の最終回を見るため、私たちは何をすべきか。
週刊文春WOMANの対談記事より
ネット上では以下のサイトから購入の申し込みができます。ぜひご覧ください。ちなみに、表紙画は香取慎吾さんの描き下ろしです。
表紙画は香取慎吾さん
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